【ハイブリッドスポーツカーが切り開く未来】令和に戻ってきたホンダのデートカー、新型「プレリュード」の姿

2023年のジャパンモビリティショーで世界初公開され、その後は東京オートサロン、さらに2025年4月のイベント「Red Bull Showrun x Powered by Honda」では初の公道デモラン、さらにF1日本グランプリでも走行するなど、話題を振りまいているホンダの新型車「プレリュード」。その姿が明らかとなり、公式ホームページで選考情報が公開された。

24年ぶりの復活、プレリュードの歴史

新型プレリュードのスタイリング。ボディサイズは、全長4520mm✕全幅1880mm✕前高1355mmで、ホイールベースは2605mmのハッチバックとなる(写真:三木 宏章)

ホンダのプレリュードは、1978年に初代モデルが登場。いわゆるスペシャリティカーと呼ばれるジャンルのクルマとして人気を博し、1980年代に登場した2代目や3代目は「デートカー」という言葉も生み出した。その後、モデルチェンジを繰り返しながら1996年に5代目が登場。2001年まで生産され、その歴史に幕を閉じた。

そんなホンダを代表する1台が2025年9月に復活する。そのコンセプトは「UNLIMITED GLIDE〜どこまでも行きたくなる気持ちよさ×非日常のときめき〜」。大空を自由にどこまでも飛べる“グライダー”に着目。翼を大きく広げて空を舞うような普遍的な機能美のプロポーションに加え、グライダーのように旋回しながらどこまでも行きたくなるような特別感を演出。今回の先行公開はデザインが中心となり、パワートレインについての新情報はないが、当初のアナウンスどおり、ホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV」を採用。操る喜びと環境性能、日常の使い勝手を追求した、電動時代の新しい「スペシャリティスポーツ」を提案する。

どこまでも走りたくなる、グランドツーリングカーに。

新型プレリュードのフロントフェイス(写真:三木 宏章)

復活する新型プレリュードに対して、シビック タイプRのようなスポーツ性能を求めるファンも多いだろう。しかし、プレリュードは純粋なスポーツカーではなく「GTカー」、いわゆるグランドツーリングカー。グランドツーリングカーとは、長距離を快適に移動できる高性能なクルマであり、純粋な走行性能はもちろん快適な乗り心地や室内空間、十分な積載力といった走行性能+快適性+居住性が高次元で融合したクルマだ。

一方で、ホンダはプレリュードを「ハイブリッドスポーツカー」とも称している。そのポジショニングについて説明しておきたい。そのベースには、ガソリンエンジンとハイブリッドの両方を設定する「シビック」がある。そこから派生する形で極限までスポーツ性能を高めた「シビック タイプR」、より手軽に楽しめる「シビックRS」というガソリンエンジン車が展開。それらのシビックシリーズに対して、プレリュードは電動時代の象徴を目指したハイブリッドスポーツカーというポジションを担っている。

新型プレリュードのサイドビュー(写真:三木 宏章)

ハイブリッドスポーツカーを実現するため、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)最高峰のシビック タイプRのシャシー技術をベースに、グランドツーリングに昇華させているのだ。具体的には、路面追従性と操舵応答性に優れる「デュアルアクシス・ストラットサスペンション」に加え、ドライブモードにあわせてダンパーの減衰力を制御する「アダプティブ・ダンパー・システム」、ハンドリングに寄与する「高応答ステアリングシステム」や「等剛性ドライブシャフト」、さらにブレンボ社製大容量ブレーキシステムなど、スポーツカーとしても一級品のテクノロジーを盛り込みながら、スムーズなの乗り味を演出していると開発者は語っている。

あくまでグランドツーリングカー、でもスポーツ走行もこなせる懐の深さ。まだ試乗はできていないので判断は難しいが、そんなイメージが近いのではないだろうか。ホンダは、2015年にハイブリッドモデルでありながら、マニュアルトランスミッションを用意したCR-Zを市販化している。ハイブリッドスポーツの新時代を感じさせたCR-Z。新生プレリュードは、そんなCR-Zを現代のテクノロジーでグランドツーリングとして蘇られたとも捉えられるだろう。このあたりについては、ぜひ試乗して確かめてみたいところだ。

日常の使い勝手も考え抜かれた新型プレリュード

新型プレリュードのインテリア(写真:本田技研工業)

低くシャープなフロントノーズ、抑揚のある滑らかなボディライン、低くワイドなスタンスなど、スペシャリティカーとして堂々としたスタイリングが印象的な新型プレリュード。そんなデザインに注目してしまいがちだが、新型プレリュードは日常での使い勝手を徹底的に考慮している点も見逃せない。

新型プレリュードのドア開口部(写真:三木 宏章)

例えば、運転席&助手席は、それぞれでシート形状を変えるといった手間がかけられている。具体的には、シート座面のサイドにあるサポート部分の高さについて、ドライバーズシートは高めかつ硬めに設定することでホールド感を高めている。一方でパッセンジャーシートはサイドポートのクッションを低く、柔らかめの素材を使うことで、長時間乗っていても疲れにくく、乗り降りもしやすいように設計。さらに車高の低いスポーツモデルの場合、乗降時にドアと足が触れやすいため、ドア下部に凹みを設けるなどの工夫も凝らしている。そのほかにもサイドシル部分(ドア開口下部)も手を置きやすいように素材を吟味するなどのこだわりが光る。

新型プレリュードのラゲージスペース(写真:三木 宏章)

また、後席については、広いとは言い難いが、カバンなどの荷物を置くには十分。こういった2ドアスポーツの場合、後席はあくまでエマージェンシー的なものであり、その役割としては十分といえるし、もし4人乗らなくてはいけない状態でもあると便利だ。さらにラゲージスペースは、リヤシートを他の差なくても中サイズのハードケースが2個、リヤシートを倒せば大型サイズのスーツケース2個やサーフボード2枚、ゴルフバッグ2個が積載可能。さらに純正19インチのタイヤ&ホイールを4本積載可能と、グランドツーリングとはいいつつ、サーキット遊びも視野に入れているあたりはホンダらしいところだ。

発売は9月予定、価格は未定

新型プレリュードのリアビュー(写真:本田技研工業)

今回の先行公開では、スペックや価格などの情報は未発表。ただし、2025年9月予定で発売日は正式に公開された。ちなみにグレード展開は1グレードのみとシンプルで、ボディカラーは新色「ムーンリットホワイト・パール」をはじめ、「メテオロイドグレー・メタリック」「クリスタルブラック・パール」「フレームレッド」の4色に加え、スペシャル2トーンとして「ムーンリットホワイト・パール×ブラックルーフ」を用意。インテリアカラーは、警戒感と深みのある「ブルー✕ホワイト」と、スポーティな印象の「ブルー✕ブラック」の2色。

ホンダアクセスの純正アクセサリー装着車(写真:三木 宏章)

さらにホンダアクセスが手がける純正アクセサリー情報の一部も先行公開された。「UNLIMITED GLIDE PLUS SPORTS ESSENCE(アンリミテッド グライド プラス スポーツエッセンス)」をテーマにした、スポーティさを際立たせるエクステリア/インテリアアイテムを設定。プレリュード純正アクセサリー装着車「Sports Style(スポーツスタイル)」には、リアビューを引き立てる「テールゲートスポイラー」を中心に、「19インチアルミホイール MS-051」「フロントロアースカート」「フロントグリルモールディング」「ブラックエンブレム」「ドアバイザー」「ドアミラーカバー」「マッドガード」などのエクステリアパーツが取り付けられている。さらにインテリアに関してもライティングパーツを中心にセットされている。

コンセプトモデルとしてジャパンモビリティショーに展示された姿から大きく変わることなく、市販にこぎつけたことには称賛を送りたい。待ちに待ったクルマ好きも多いだろう。そんな新型プレリュードの発売も目前、今後に注目したい。

新型プレリュード(写真:本田技研工業)

新型プレリュード(写真:三木 宏章)

ホンダアクセスのプレリュード純正アクセサリー装着車「Sports Style(スポーツスタイル)」(写真:本田技研工業)

ホンダアクセスのプレリュード純正アクセサリー装着車「Sports Style(スポーツスタイル)」(写真:三木 宏章)

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